このたび、日本超音波医学会第30回関東甲信越地方会学術集会ならびに第17回関東甲信越地方会講習会の大会長を拝命いたしました。このような名誉ある機会を与えていただきました運営委員会の委員の皆様に感謝申し上げます。
さて、日本超音波医学会関東甲信越地方会は、関東地方の1都6県に、甲信越地方の山梨、長野と新潟県を加えた10の地方自治体の会員による、日本超音波医学会の地方会のなかでも最大規模の学術集会ですが、今から26年前の1992年に、本学の竹内久彌大会長の下に第1回学術集会が開催され、今回はちょうど30回目という節目の会となります。この間の超音波診断装置の技術開発には目覚ましいものがあり、B-mode画像は益々精細となり、プローブの小型化による体腔内走査法や3D・4D超音波診断法の開発、カラードプラ法による機能診断、さらには造影超音波検査や超音波プローブの位置情報を得ることによるX-CTやMRIとのヒュージョン画像など、超音波診断の応用範囲はますます広域化と高度化へと進んでおります。一方で、超音波診断装置の普及は目覚ましく、超音波診断はもはや専門家が行う特殊検査ではなく、医師や技師はもちろん看護師や助産師など医療スタッフ全てが日常的に実施する一般診療のツールともなっています。
今回の学術集会には、116題という多数の一般演題のご応募をいただき、ありがとうございました。発表に際しましては活発なディスカッションを期待申し上げます。また、例年の様に、特別企画として各領域における最新のトピックスに関する講演も企画いただいておりますが、今回は特に「超音波デジタル画像のナショナルデータベース構築とAI診断開発」というテーマで、医学会のみならず世界的な関心事であるAIによる画像診断とビッグデータベース構築に関する最新の知見についての特別シンポジウムを開催させていただきます。なお、この特別シンポジウムにはAMEDの末松 誠理事長にもご講演いただく予定としておりますので、多くの会員の皆様に是非ご参加いただきたいと思います。一方、各領域のエキスパートの先生による講習会も同時に開催しております。また、エキジビションとしまして、第1回学術集会の大会長でいらした竹内久彌名誉会員によるクラシックカメラを使用した写真展も行う予定としております。
本学術集会では、特に、将来を担う若い医師、技術者、臨床検査技師や診療放射線技師、さらには看護師や助産師の方々にも是非参加いただき、これまでの超音波診断装置と診断技術の発展を振り返り、超音波診断の基本を再確認するとともに、先鋭化する最新の診断技術に関する研究成果について参加者の皆様でディスカッションしていただくことを希望し、学術集会のテーマを「継承と発展」としました。
企画に際しましては、関東甲信越地方会運営委員・プログラム委員の皆様のお力を拝借し鋭意準備を進めてまいりました。この場を借りまして感謝申し上げたいと思います。
皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げますとともに、本学術集会への多くの方々のご参加を、心よりお待ち申し上げます。